2.1,5-AGが食後高血糖をよく反映する理由です

  1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)はグルコースに類似した構造を持つ、生体内で最も含有量の多いポリオールです。 高血糖により尿糖が出ると、腎臓での1,5-AGの体内への再吸収が阻害されるため、尿に失われて血中濃度は速やかに減少します。

  単回の少量の尿糖排泄程度では血中濃度への影響はあまりありませんが、食後高血糖が頻回となり、尿糖排泄がくり返されると、1,5-AGは次第に低下します。

  HbA1cやグリコアルブミンは、グルコースと蛋白が結合する糖化反応により生成するため、それらの変化が完成するには数時間以上が必要となります。すなわち、食後高血糖のような短時間のスパイク状の変化の影響はあまり受けません。




  しばしば"血糖値スパイク"と呼ばれる短時間の食後高血糖は、平均血糖値がまだ高くない糖尿病のなりかかりの際などに顕著に現れます。

  食後高血糖改善薬である、α-GI,グリニド,DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬,超速効型インスリンなどの薬効が1,5-AGの方でとらえられ易い理由は以上によります。


注意!
食後高血糖改善薬系薬剤の中で、
アカルボースは唯一1,5-AG代謝系に干渉を及ぼして、
相対的低値をもたらすことがあります。


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