13.1,5-AGに生理活性はあるのでしょうか

  • 十分に解明されていません。
  • 1,5-AGと、その前駆体の1,5-anhydrofructose(1,5-AF) が、食欲中枢に作用することが知られています。例えば、1,5-AGの誘導体が抗肥満薬として開発されています。神経性食欲不振症では摂食不足が予想されるにもかかわらず正常高値が示されます。一方で、神経性過食症では正常低値となっていることが多く見られます。1,5-AFにGLP-1の増加作用があることも報告されています。
  • 体内での産生はごくわずかですが、肝臓のグリコ-ゲンが分解され、一部が1,5-AFを経て1,5-AGに変換される経路が知られています。この経路は小規模で、その生理的意義は不明です。
  • 複数のβ細胞株と実験動物で、1,5-AGのインスリン分泌促進作用が観察されています。また、膵臓の1,5-AG輸送体はグルコ-スの干渉を受けます。1,5-AGはインスリン分泌メカニズムに関与するGKでリン酸化を受けます。
  • 1,5-AFは強い抗炎症作用をもちますが、1,5-AGにはありません。1,5-AGのアディポネクチン産生促進作用の報告もみられます。
  • 1,5-AGは漢方薬のオンジ(イトヒメハギの抽出物)や良質な牧草として知られるヒメハギに多く含まれます。植物の発芽時に著増することも知られています。何らかの生理活性に関係するものと思われます。

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