12.1,5-AGの性状についてです

  人体中に最も多く(500~1000mg)含まれるポリオール(糖の近似物)の一つです。
  体内ではほとんどがフリーの形(他の糖や蛋白質と結合しない)で存在しています。形はグルコースそっくりですが、開環しない構造のためほとんど代謝を受けません。

  ごくわずか(1日0.5mg)体内で合成されます。
  主に食物中から毎日微量(4,5mg)が体内に供給されます。1,5-AGはほとんどの食物にまんべんなく含まれます。

 正常では99.9%が腎尿細管で再吸収されます。この再吸収はグルコース再吸収領域の下流で行われます。上流から過剰なグルコース(尿糖)が流れてくると、再吸収は競合阻害を受けて血中1,5AGの減少につながります。

 腎尿細管には、1,5-AG, フルクトース, マンノース共輸送体(BBA 1291, 89, 1996)として、SGLT4の存在が想定されています(Life Sci 76, 1039, 2005)。
 一般細胞には1,5-AG特異性の強い輸送体(J Biol Chem 269, 9664, 1994)が、膵臓には取り込みがグルコ-スに干渉される輸送体(BBA 1474, 291, 2000)が存在すると示唆されています。





Yamanouchi T et al. : Am J Physiol 263, E268, 1992,他


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